但馬飯の4
三日坊主という有名な言葉があるが、読者諸氏は安心めされよ。私にその辞書にその言葉はあんまりない。
昨日更新しなかったのは自炊をしなかったからに他でもない。
決して更新に飽きたわけではない。言うならば豊岡生活に飽きたのだ。しかしながら人生は飽きても続く。続くのである
そんな本日の但馬飯はというと、実は夕飯ではなく朝ごはんであった。
本来ならば昨日晩にこれを作ってアップする予定であったが、昨日の研修終わりに後輩から外食に誘われてそのままほいほい付いていったのである。
豊岡には無添くら寿司という素晴らしい回転寿司屋が存在する。皆も豊岡に行った際には是非立ち寄ってもらいたい。
そこで我々はひと皿とて寿司を食べる事もなく、カレーライスや天丼といったファストフード系をひたすらに貪った。数日ぶりの外食は何やら懐かしさを感じた。
そしてこうなった
当然の流れであろう。部屋に戻った時には既に日付変更線を跨ごうとしていた為、昨日の更新は諦めたのだ。
そして本日、なんと我らが明石へと舞い戻ったのである。束の間の休日、大いに楽しむつもりだ。やはり南部は良い。
ところで、但馬飯と銘打ってはいるものの実際に但馬らしいものは未だ一度も口にしていない。一日くらいそんな日を作りたいものだ。
minami5741でした
ちなみに今日会えたコウノトリはこいつだけであった。
但馬飯の3
読者諸氏、このような始まりで申し訳ない。
飽きた
何事も三日あれば慣れるというが、この一人暮らしに関しても既にパターンが出来始めており、暮らしの中に刺激を求め始めるに至っていた。
そんな第三日目の夕餉は以下である。
一見普通の焼きそばだが、実はソースを買い忘れるという関西人として致命的なミスを犯してしまった為に醤油とにんにくで代用した。
この咄嗟の機転が割と功を奏した。スタミナ丼とラーメンを作っていたことがこれに繋がったかと思うと運命的なものを感じざるを得ない。
読者諸氏には実際一回は試していただきたい。にんにく醤油焼きそばは新しいに違いない。全くレシピを見ずに作ったのだが、恐らく先駆者はいることであろう。しかし思いつき、実際に食した瞬間は思わず自分は天才なのではないかと錯覚してしまうほどの美味であったことは報告しておきたい。
あと試しに人事に支給されたマグカップでビールを飲んでみたのだが恐ろしく不味く感じた。器の重要性は確かにあるということだ。これまで培った美的センスというものがこの拒否感を生み出したのだと思うと不思議な感覚になるのと同時に面白く思った。すぐに缶から直接飲みにシフトした。
今週終了まであと二日。
minami5741でした
ちなみに今日もコウノトリには会えなかった。
但馬飯の2
特定を避けるため研修内容には触れることが出来ないのがこの記事を更に味気ないものにさせるのは必然のことである。
何故ならば料理のことに関してでしか記述できないからだ。
基本的に研修施設と宿泊施設の往復生活となっている現状、フリータイムというのは宿泊施設に戻ってから朝になるまでの間でしかない。つまりこの間に出石に蕎麦を召し上がりに行くことも、日本海の塩を舐めることも、但馬牛を狩りに行くことも叶わないのである。これなら兵庫県南部において同じ研修をして欲しかったものである。
さて、そんな本日は中華セットを作った。
簡単には言うが、昨日書いた食器不足がよく分かる一枚を撮影したので参照されたい。
読者諸氏、紙コップは万能である。こうしてボウル代わりにもなるのだ。まだ食器が揃っていないうちはこうして紙コップを使おう。ちなみにグラスのコップは支給されなかった為泣く泣くスーパーで買ったものである。紙コップでは味気ないのでビールも缶から直接飲まざるを得ない。
紆余曲折を経て完成したのがこちらである。
非常に分かりづらいが、とんこつ醤油ラーメンと冷凍餃子だ。ラーメン鉢が無いので大きめのお椀を使っているが、これが更に和食感を推し進める。
因みにこの一件でラーメン警察からも目を付けられてしまった。
@0SPRING2AROMA5 こちらはラーメン警察ダァ!ラーメン鉢がないのにラーメンを作ろうとしているやつはどいつだぁ!
— 海月 (@dreivissel) 2017年5月16日
悪いのは私ではない。罪はラーメン鉢ないし丼を支給しなかった人事にこそある。
昨日は油多めの献立だったので、本日はなるべく野菜を多めに摂ることを意識したラーメンになっている。付け合せが餃子である上ビールもいっちまっているので健康効果には一切期待できないが。
昨日本日と二回連続で買い物に行っている為に野菜のストックが少しずつではあるが出来始めている。明日はもう少し健康に気を遣ったメニューにしようと思う。
minami5741でした
そして今日もコウノトリには会えなかった。
但馬飯の1
読者諸君この堂々とした看板を見よ。我こそはコウノトリの使い手と言わんばかりではないか。
ちなみに道中はこんな具合であった。
サンドスターで生まれたわけでもないがたじまちほーに迷い込んだ哀れなることこの上ない豊岡鞄ちゃん。それが今の私である。
特急コウノトリに乗り2時間と幾ばくか。最初は旅行気分だったが、断続的に続くトンネルでネットは切断され景色は金太郎飴の如き緑一色。まるで麻雀の役かのような有様である。
到着したのは集合時間よりも1時間早かった。遅れるよりはましだが早すぎるというのもまた失礼というもの。ぶらぶら時間を潰すかと駅周辺を歩いてみたが見事に何もない。
住めば都という言葉があるが、遷都するには幾世紀かを必要とするような状態と思われた。
時間が過ぎるのを待ち、研修場所に向かうと、昼食をとって来いと宣われた為一度引き返し、煮玉子とチャーシューが入ったおにぎりを買って食べた。
その時に辺りを軽く散策したが、コンビニさえ少ないような土地でどこかめぼしい場所があるわけでもなく、兵庫県南部出身にとっては一抹の不安を感じざるを得ない光景が広がっていたのだった。
これからの生活に関する説明が終わり、15時から数時間に渡って導入に関する研修が終了し、仲良くなったのかなっていないのか分からない研修仲間と別れて家路につく。
調味料類は持ってきていたものの、食器に関しては完全に会社任せであった為にありとあらゆる物が不足していると気付くのにはそう時間がかからなかった。
あるものの中からやるしかない。サバイバルの基本である。私はサバイバルの経験はキャンプを除いて無いが、サバイバル系漫画は嗜んでいる。勝機はあるはずだ。
結局本日はスーパーに寄って一食分の買い物を済ませてきた。本来ならば一週間分くらいの献立を計画しその買い出しを一回で終わらせるのが定石だろうが、ビギナーなので勘弁して欲しい。
なんとかかんとかして作った但馬飯の1がこれである。
スタミナ丼。なお卵を買い忘れたので卵黄は乗っていない。醤油みりん酒にチューブにんにくとコチュジャンを入れてみたが味は上手く決まった。
一人暮らし初心者ではあるが料理の経験があるのはアドバンテージと言えよう。とにもかくにも一日目をこうして乗り越えたわけだ。
この一連の記事でたじまちほーの魅力を伝えられるのか非常に疑わしくなる日であったが、一応明日も継続する予定である。
minami5741でした
なお、今日はコウノトリを見ることはできなかった。
「たじまちほー」
かくも久しぶりな更新に読者諸君は私のことを記憶の彼方に放りやったかもしれない。それならそれで再度0から関係を構築し直す所存である。
minami5741でござい。
さて、今宵はあまり時間も取れない為いつもの茶番は抜きにいきなり本題から入りたいと思う。因みにいきなり本題に入るのは後にも先にもこの記事だけだろうことは間違いないので、聡明なる読者にはスクリーンショットをしておき、Windowsアクセサリに標準装備されている素敵ソフトことペイントに貼り付けた後にjpg形式で保存し、私が前置きの茶番を話す度にそのスクリーンショットを貼り付けることをおすすめする。
そんな本題とはタイトルにもある通り私が来月より一ヶ月間
アンラッキービースト≒ボスによってたじまちほーに飛ばされる。
ことの起こりは決算日。前回の更新から約3週間ほど経った後であった。
弊社では地獄のような日々から開放され自由気ままに盃を傾ける恒例行事が某居酒屋にて執り行われていた。その内での会話である。
次長「来期どうしましょうかね」
アンラッキービースト「トリアエズ、南ニハ夏前ノ研修ニ行ッテモラウヨ」
「!?」
次長「それ本人に言ってます?」
アンラッキービースト「今言ッタヨ」
なるほど。こいつは組織人として大切なものを御母様の胎内に残してきたに違いない。報連相である。
自分がされた時は烈火のごとく怒る事後報告をよりにもよってこのタイミングでぶっこんできやがるとは。
しかも次長、アンラッキービーストの返答に何故か大ウケである。このように無駄に上を立てる風習こそがこの日本をダメにしたのだとこれほどにまで声を張り上げたい時は無かったがそこは酒の席、我慢を強いられるのが我々若手の宿命である。
後日アンラッキービーストに話を伺ってみると、
- (事務処理が)どじー
- (営業成績が)ぜんぜんよわいー
といったフレンズたちが当研修に半強制的に参加させられるとのことであった。
これにて私が愛してやまない本家きむらや擁する明石市とはしばしの別れ。五月半ばより私を両親に運んできたと噂されるコウノトリ擁する豊岡市の預かるところとなったのである。
問題は私のメンタルである。
冬場のハウスいちごさながらの温室育ちである私が、菅原道真もドン引きの左遷具合であるからして、これは私の人生史上最大の難関である。
まだ実家にいるにも関わらず帰りたいと嘆くのみである。
そこで画期的な方法を思いついた。
恐らく研修先でものけものにされることは濃厚な私にとってインターネットという場所は非常に濃厚な人間関係の現場である。その場にたじまちほーでの生活を順次報告するのはどうか。
特に今後たじまちほーに住居を移し、蕎麦やら牛やらコウノトリやらを育ててグローバルに打って出てやろうと企むビジネスマンにとって現場の声というのは大きな参考資料になるのではあるまいか。
そうした経緯を経て、ここにたじまちほー行きの宣告と向こうでのサバイバル生活をこのブログにて行うことを誓う。
最後に、君たちは営業成績を理由に左遷される社会人にならないように。
minami5741でした
創作世にも奇妙な物語「おっさんレンタル」
世の中、実に便利なもので色んなものがレンタル出来るようになりました。ビデオ、CD、漫画、家具、家電、果ては高級外車まで。
このレンタルの起源は1887年、あの電話を発明したことで有名なグラハム・ベルが有料で企業に貸出をしたことに由来していることはご存知でしょうか?
まさかベルもここまでレンタルという業務形態が広がるとは思っていなかったことでしょう。
さて、そこでひとつ提案なのですが今これをご覧のあなた、少し変わったレンタルはいかがですか?
――――――――――――
「おっさん……レンタル?」
とあるサイトを見ながら私はただ途方に暮れた。
私の眼にはおっさんをレンタルしてくれるという一風変わったサイトが映っており、見れば大概の事は1時間1000円で貸してくれるとのことであった。サイト上で希望のおっさんを選び、お金を支払っておっさんからの挨拶、集合、そして希望のサービスを受けられるとのことであった。勿論遠方の場合はレンタル時間にカウントされる。性的なサービスには応じていないなどと至極まっとうな事がルールに書かれていた。
「でもどうしようってのよこんなの……!」
友人が教えてくれたサイトだったが、正直半信半疑だった為に本当にこんなサイトがある等とは思いにもよらなかったことから、ここに書かれているおっさん達の使い道が予想できなかった。
「まぁ一過性のブームでしょ。私には関係なさそ」
鼻で笑いそう独り言ちると、私はスマホをスリープ状態にしてベッドに潜ったのだった。
おっさんレンタル
『全国の女性の間で、おっさんのレンタルが流行中です』
『大手商社は国産のみならず海外産のおっさんの輸入過剰により貿易赤字を記録するなど、おっさんレンタルは貿易問題にまで発展しており……』
『AIのブームは急速に廃れ、おっさんがあらゆる業務の代行を時間給で行うなど各地でその活動が注目され……』
「なんなのよこれ……。」
通勤途中の女性車両を見て私は思わず声を上げた。
女性だけが入れるはずのその車内には溢れんばかりのおっさんが詰め込まれていたのだ。勿論、他の車両は普段通りおっさんが詰め込まれている。
「あの……!ここ女性専用車両ですけど!」
私はドア近くに陣取っていたおっさんに訪ねた。
「すみません……。現在業務中ですので」
「私は被レンタル中の身分で現在、通勤中です」
「右に同じ」
周辺のおっさん達が一人目に合わせるようにして口々にそう言った。私はといえば勿論混乱していた。女性専用車両というのに女性は私ただ一人である。
「だ、だからって女性専用車両に入るなんてこと……!」
「普段の行動を丁寧にヒヤリングして、極力その行動方針を変えないのが我々のポリシーですので」
「今時は他レンタル会社も増えてユーザーの方々のお声に応えなければ、厳しいのですわ」
「これでも日給で1万円以上出るとなれば、やらざるを得ません」
次々におっさん達の悲鳴が聞こえてくるが、それを聞き流しつつも身体を入れる。うわっ…すぐそこにおっさんが……!というか普段のみんなはどうしたのだろう……?
―――――――――――
「おはようございま……」
そこで言葉を止めた私が見つめていたのは、普段と変わらない男性の課長と副課長、係長と、そしてその他大勢のおっさん達。
「「「おはようございます」」」
私の中途半端な挨拶に、おっさん達は声を揃えて返してくる。
その異様な光景を見て私は思わず課長のもとへ走った。
「課長! どういうことですかこれは」
「どうしたもこうしたもないよ。皆レンタルしたんだ」
「レンタル?」
「おっさんを」
マジか。
「ここ!保険のコールエンターだってみんな分かってるんですか!?」
「無論我々も最初は止めたよ! ……しかし最近の情勢は上の連中も理解していてね。女性職員の希望ともあれば、こうして臨時に雇う他ないんだよ」
課長の言葉に今度こそ私は絶句した。
どうやら今日の通常業務は、正しく紅一点となった私以外おっさんに囲まれて行うことになるだろう。
「もう散々よ! お茶もランチも一人だしあいつら気は遣えないし、しかも女子トイレにまで入ってくるのよ? 信じられない!」
「まぁまぁ! おっさんだってボランティアみたいなもんなんだしさ少しは大目に見てあげなきゃ! ……ていうか恋那はおっさんレンタルしないの?」
「しないよ! なんでおっさんレンタルしなきゃ……」
「えええ! 便利よ……。おっさんが働きに出てる間私は習い事二つ増やして別のアルバイトやってたりするし」
「ほんとに!?」
「おっさんレンタルが流行ってるってニュース見てからだけどね……。でも一回味わったらもう逃れられないわ。恋那もやってみたら分かるって」
「私はしない……。たぶんしないと思う」
初めておっさんレンタルの浸透ぶりを思い知ったこの日は、これまでの友人との電話で初めて共感できない会話となった。
『おっさんを自社で通常業務で労働させている時間を利用して株式売買を行っていた女が脱税の疑いで本日書類送検されました』
『おっさんを中継した詐欺が現在流行しており、警察は一斉におっさん利用詐欺対策強化月間を設置し……』
『俄かに持ち上がってきたおっさんレンタル利用犯罪類。社会は一体どこへ向かっているのでしょうか?』
―――――――――――
「ふぅ……」
私は朝9時に起床してゆったりと風呂に浸かる。出勤は既に「通勤用おっさん」と「業務用おっさん」の二人で賄っている。ちなみに業務用は時間外勤務4時間までを保証してくれる。
しかも今月は貯金をはたいてプレミアムおっさんレンタル会員に登録した。これをしておくと24時間以内に同時に5人以上のおっさんをレンタルできるのだ。おっさんレンタルユーザーとしては登録しない理由がない。
今もそのおかげでこうして充実した朝を迎えられるのだから。
「おっさんレンタル……最っ高~~!」
思わず湯船の中で腕を広げながら叫ぶ。
私は最初に話し相手としておっさんを1時間だけレンタルしてから、その魅力に溺れていった。
まず逆におっさんの世話をしなくても良いし、こっちの言うことは何でも聞いてくれる。ジョークの上手いおっさんはすぐ笑かせて和ませてくれるし、料理の上手いおっさんは仕事に疲れて帰ってきた私をいつも出迎えてくれた。映画趣味のおっさんは私が知らない映画を面白く解説してくれたし、掃除用のおっさんは掃除だけでなく私が一人でも出来るようにと掃除のノウハウを教えてくれたのだ。マッサージ用のおっさん、買い物用のおっさん、急な病に倒れた時に病院を手配してくれるおっさん、年老いた親の見舞いに行ってくれるおっさん、そして仕事をこなして着実にキャリアアップを図ってくれるおっさん……。沢山のおっさんが、私の生活を全て代理していた。
今や私にとって、おっさんはなくてはならない存在となった。
――――――――――
――――――
――
「ご家族は……?」
意識が混濁し、最早誰が何を言っているのか分からない状態の私を横目に、医者はレンタルされたおっさんを見やる。このおっさんは一応見舞い用だ。
「……私が知る限り、無縁です」
「となると、最期を看取るのはどうやらあなたのようですね……」
「私はついさっきレンタルされたばかりですが」
「しかし悲しい世の中になりましたね。……最期の瞬間に立ち会われるのが赤の他人とは」
「お医者さま。それは違いますよ」
「はい?」
「私は今、この南恋那の家族としてレンタルされています。……つまりこの瞬間だけは、確かに家族なのです」
「……」
おっさんの一言に医者は何も言えないようであった。少し目を晴らしているようですらある。
「あなたのプロ意識にだけは、負けますね」
「いえ……」
「では最期に声を掛けてあげてください」
「……恋那さん」
「……」
「あなたに雇われて私は、幸せでした」
「おっ……さん……」
思えば、途中からおっさんとの記憶しかないような気がする。私の脳内にはおっさんとの楽しかった日々が思い起こされた。一緒に教えてもらった料理を作ったり、サッカー観戦に行ったり、途中から書道なんかも始めちゃったりして、それもおっさんがリードしてくれたっけ。
「ありが…………とう……」
溢れる涙が零れおちたと同時に、一人の人間はこの世を去った。
「2時39分。……ご臨終です」
「そうですか……
「残り29分でした。料金は分割にして残金483円を南様のお口座に振り込ませていただきます。ご利用ありがとうございました」
呆然とする医者をよそ目に、レンタルされたおっさんは病室を後にしたのだった。
――――――――――
「あなたも、被レンタルですか」
「ええ。遺言にそう書かれていたものですから」
「では一緒に参りましょうか」
南恋那の葬式には100名を超える参列者が集まっていた。その参列者は全員中年の男性であったという。
~創作世にも奇妙な物語~End
あとがき
レンタルするということは同時に返す手間をかけられるということです。
借りている間に本当に心が通じ合うかは分からないものですよね。
おっさんレンタルを聞いて真っ先に思い浮かんだのがデート商法です。まぁあれはどっちかというとおっさんがターゲットですがね。
子宮を全摘出する手術の立会人に「おっさんレンタル」を頼んだ話 - Togetterまとめ割とマジで世にも奇妙な物語が現実になってる感ある
2017/02/28 22:00
↑このまとめを見て、またブコメを付けて思い浮かびました。どうもありがとうございました。
minami5741でした
文庫Xは文庫Xとして売るべきだった
文庫Xご存知だろうか?私はちょっと前めざましテレビでその存在を知った。
詳細はこのリンクに詳しいので是非
mixuply.com
このリンクにはネタバレは辛うじて避けられてるので文庫X未見で閲覧しても大丈夫である。
私は最寄りの書店にて発見した為にそこで購入に至った。
が、残念なことに当初盛岡市のさわや書店で売られている形態に無かったのだ。
今はタイトルにネタバレがされている
これがいかほどの衝撃か、文庫Xを文庫Xとして知りたい本好きの諸君らには解説するまでもなかろう。有り得ない。
最初は書店員のレビューを兼ねて値段以外の情報が分からないように工夫されたブックカバーの上にラッピングがされることによって立ち読み不可の冒険的著作として名を轟かせた。
しかしそれが広まるにつれ全国で販売されるに至ったものだが、その際にブックカバーはコピー状態で上からかぶせられた上、タイトルは帯に書かれるに至った。
つまり当初書店員が付けた付加価値を失わせたということである。
私は基本的に本の中身は知った上で購入したい人間である。大方そうであろう。
だが、たまにはこういった変わり種を所望したいのもまた読書好きの願いであることも知っておいてもらいたい。
それは"中身が不明な点"に最大限の価値を置いているものであり、中身が分からないからこそ普段自分が好んでいるジャンルから遠ざかって新たな門戸を開く契機としたい欲求から来るものなのである。
それがこれでは台無しである。
既に述べたが、ことこの文庫Xに関しては決して購入するまで中身が分かるようになってはいけない一品であると思う。
それはこのカバーを付けた書店員の愛情を踏みにじるものであり、ひいては中身が分からないからこそ購入に至る人間への機会損失と見て間違いはなかろう。
一体誰がこのような野暮極まりない決めつけをしたのかは定かではないが、失策と言わざるを得ない。
文庫Xは文庫Xとして売るべきだったのだ。
無論異論は認める。中身が分かってこそ購入に至るというのは道理だ。
だがしかし、たまにはこういう遊び心が満載な本があっても良いのではなかろうか。それも小売店の在庫処分たる「福袋」とは違い、純粋にオススメしたい本を自分の言葉を用いて推してくるこの姿勢には原作者への敬意と本への愛情がよく見えるではないか。
そういった形に購入者たる私も応えたいと思うし、書店員が本気で勧める本というイメージが更に増幅され、否応にも期待が高まるのである。そして面白いのである。
こうした試みはもっとあっていい。そして今度こそ買わなければ分からない中身にしてもらいたい。
SNSが発達しても決して毎回ネットでネタバレされるわけでないことは去年のシン・ゴジラ映画レビューで明らかになった。
あとはその流れ。ある意味では完璧に空気を読むということがどれだけできるかだ。今後も期待している。
アニメの評判を聞いてから幼女戦記を買ったminami5741でした。